TDLの概念図を右に示す。TDLはマイクロ波放電を用いてプラズマを生成し、プラズマと宇宙空間の電位差によりイオンを加速し、排出することによって推力を得る静電加速型の推進器である。
プラズマ生成室において、電子は磁場によって捕えられ、磁力線に沿って運動している。その結果として、磁気チューブと呼ぶ磁気ミラー間の領域を往復運動している。磁気チューブの一端はアンテナに接しており、アンテナ近傍には、マイクロ波によって電場が隆起され、この電場によって電子はエネルギーを受け取る。何度もアンテナ近傍を通過することにより、エネルギーの高い電子が増え、その電子によって、中性粒子(推進剤)が電離することによって、プラズマが生成される。
生成されたプラズマ中のイオンはプラズマ電位と宇宙空間の電位差により加速・排出される。また、電子については高いエネルギーを持ったものが、電位差を乗り越えて排出される。よって、排出されるビームは電気的に中性である。これは、TDLの特徴のひとつである。
世界各国で行われている研究において、ある特定の条件下の発散磁場中において、イオンと電子のdouble layerが形成されることが確認されている。double
layerが形成されると大きな電位勾配が生まれるため、イオンをより加速できると考えられる。
ちなみに、TDLとはthruster with double layer の略であり、double layerが形成されることを期待して命名された名称である。しかし、現在のところ、double
layer が形成されている証拠は確認されていない。
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